[My Favorite Things]
ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画『The Sound of Music』で使われた歌です。
この唄は歌い手にとって、かなりプレッシャーが掛かる唄だと思います。 まず音程の変化。 それに早口言葉のような速度で、次から次へと、単語を並べて唄わなければなりません。 そこへ感情を入れなければならないのです。
☆私が20歳になる前の年の夏、コルトレーン五重奏団が来たので、聞きに行った。パンフレットに演奏曲目は30曲記載されていたが、どれをするかは その時の気分次第のようだった。
レコードで聞くのと、生演奏を聞くのとは、強烈に激烈に違っていた。
頭の中が真っ白になった。
レコードで聞いても、感動しなかった脳内の感覚だったのに、体全体がコルトレーンの生演奏に包まれて、一体全体 どの世界に居るのか判らなくなった。
それが、この My Favorite Things.
後にも先にも あのような神秘的な体験をしたのは初めてであった。
☆さて 田中ゆうこさんのボーカルで それを聞いてみよう。
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☆自分が、とても大切にしているもの、お気に入りのもの。
悲しい時に、それを思い出して、心を暖める詩です。
☆登場するお気に入りのものは、最初から紹介すると「薔薇の花びらの水滴。 子猫のひげ。 ピカピカ光っている銅のヤカン。 太い毛糸で編んだ手袋。 紐で結ばれた古くて茶色になった紙包。 薄い栗毛の子馬。 カリカリ、パリパリのリンゴのストラドル。 小さい頃に住んでいた家の扉のベル。 お父さんが手造りしてくれた雪橇に付いていたベル。 カツレツにヌードル。 月夜を飛ぶ雁の群れ。 白いドレスに青い飾り帯の女の子。 鼻と睫毛についた雪の結晶。 白銀の冬が春に変わる頃。」
☆演奏はピアノの神秘的な風景から始まる。まるで、歌詞の最初の「薔薇の花びらについた水滴」のようなピアノの響き。
☆☆そして、ボーカルとピアニストのコラボレーション。
下記は歌い手自身から送って貰った言葉で紹介します。
『 ふっと暗闇に襲われた時こそ 人は光を見ます。
太陽を見つめられる人はいません。
暗闇のなかの、星や月は見つめることができます。
光の美しさを感じます。ありがたさを再確認します。
そういうイメージでアレンジして歌いました。』
☆ボーカルとボーカルの間のピアノだけの間奏部分で貴方は何を想像しますか? 貴方の好きなものが浮かべて聞いて下さい。 私は、歌詞の中に登場する「満月の月明かりを背中と翼に受けて、飛んでいる雁の群れ」を想像しました。
☆終わりも、歌詞の最後の「白銀の冬が春に変わり、雪の結晶が消えてしまう」ようなボーカリゼションとピアノの消えゆくエンディング。
そして静穏が、心に訪れます。
☆田中ゆうこ(vo) 生田幸子(p)
2009年3月20日スタジオ録音(Goody-Goodyと同日録音)